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- 活性炭とは
活性炭の原材料は、主に石炭、瀝青炭、ヤシ殻、マツ、竹、胡桃殻、杏子殻、おが屑などがあり、その他、レーヨン、アクリロニトリル、石炭ピッチを原料にした炭素繊維があります。
特にヤシ殻活性炭は、他の木質材料と同様で、セルロース、ヘミセルロース、リグニンなどのほか、炭素、酸素、水素といった物質からなっていますが、天然素材の中でも硬質な部類で、しかも安定的にボリュームを確保できる点から活性炭づくりに適した材料として広く使用されています。
一度炭化させたヤシ殻を、再度水蒸気を加えながら、800~1000℃の範囲で加熱処理することにより、多孔質の炭素構造を、より微細な孔に発達させ表面積をより多くしています。
この熱処理は、水蒸気賦活と呼びます。この他に、塩化亜鉛やリン酸などの化学薬品を浸漬してから賦活した化学賦活もあります。
賦活処理により形成された活性炭の細孔は大きさによりミクロ孔、メソ孔、マクロ孔に分類され、細孔の大きさや表面積によって活性炭の吸着性能や役割が違うと考えられています。使用原料や製法によって活性炭の細孔は変化し吸着性能に差が出ます。ヤシ殻活性炭は、ミクロ孔が発達しており広大な表面積があります。一般的には表面積が大きいものほど吸着速度、性能が向上します。吸着作用は界面現象の一つで、活性炭の細孔からの引力(ファン・デル・ワールス力)により流体(気体または液体)の中の分子が引きつけられ吸着が起こります。又、微細孔には、毛管現象という吸着を助長する作用があり、気相の場合この毛管現象によって気体が凝縮して液体になり吸着量が増えます。これらを総称して物理吸着といいます。
(注:1 KCal=4,184 joule)
ヤシ殻活性炭は吸着性能レベルが優れているだけではありません。精製されたものは食品や医療用としても使用されているぐらい安全で安心なものです。現在、問題となっている各分野の環境問題。土壌や水質などの環境の問題から、住まい環境の改善、人や動植物の健康に貢献できます。緊急用充電バッテリーとして使用されているキャパシタの電極にも活性炭が使用されています。
活性炭の基本的な性能として、「脱臭」、「吸着」「浄化」「精製」「分子篩」「触媒担体」など一般的に知られている機能の他、「調湿作用」、「遠赤外線」、「マイナスイオン」などの機能もあり、新分野の問題に貢献できる可能性を秘めています。